1991年11月21日木曜日

DJ DICK 「ウィークエンド」

 


 今年の前半、ロサンゼルスを中心とした全米のFM局でオンエアーされ、各FM局のチャート及び全米HOT100のダンスチャートの5位まで上昇した曲それがあなたがいま手にしてる一枚、D.J.DICKのウイークエンドです、もちろん初めて聞くかたが多いと思うのですが、残念ながらいまのところ彼の資料がないため今回ここでは、この曲のことについて書いていくことにします。

 最近ダンス・ミュージックの傾向として大きなジャンルわけはあるものの、そうした中でも一貫したものがあるように思われる。それは、ひとつひとつの音(ドラム・ギター等)に異常なほどに神経を費やされ、より気持ちのよいサウンド・プロデュースという傾向があるようだ。そうした中でこの曲もそれら同様にそうした傾向があるのだが、その他にも今までのようによいメロディー等や既存の作品の良い部分も積極的にとり入れていこうとするところがあるような傾向がある。たとえば、ギターのディストーションなどの歪んだ音は、C&Cからインスパイアされたものといってもよいのだが、よく聞いてみると音色が違っている。これは良い物を取り入れ、それをもっと気持ち良くしようとしていることが見うけられるし、ギターのフレーズにしてもおぼえやすいフレーズになっている。またドラムの音色だが、最近では少なくなってきたあつみのあるアレンジになっている。このように良いと思うものは取り入れ、新しい音もというような彼の音楽の方向性というものが感じられる一枚ではないだろうか。

 この曲が全米でリリースされて半年ほどたったいま、日本のクラブシーンでも、盛り上がりつつあるといううわさを聞いてうれしい気がしてならない。もちろんまだまだビッグヒットになる可能性を秘めた一曲であると思う。最後に彼の、セカンドシングル及びアルバムに期待して……。

高橋一男(WUJ PRODUCTION)

Wishing more success for all the fabulous DJs!